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​ごあいさつ

昨年11月より弊社が運営する介護事業「ヘルパーステーション菜の花」は、長年慣れ親しんだ飛松町5丁目より、川をわたり、銀映通りに越してきました。私自身は板宿に住んだことはありませんが、母方の祖父母が事業を営んでいたこの町は、私にとって第二の故郷というにはあまりにも身近で、まるで何度引っ越しを繰り返してもクローゼットのお決まり場所に収まってしまう一生モノのジャケット、のような感覚ですね。結局、祖母の興したメディカルサービスを引き継ぎ、板宿で介護事業を営むようになりました。

神戸でも多くの町が震災を境にかつての面影を残すことなく近代化していきましたが、大きなダメージを受けたこの板宿は、駅前に高層商業ビルが建つでもなく、商店街を中心にかつての面影をまだまだ残しています。そして特に私は板宿の街角にたたずむコーヒー屋さんたちに心惹かれるのです。

老舗のコーヒー屋さんに入ると、時間帯によってはほとんどのお客さんがお年寄りであったりします。モーニングなんかを頼んで、誰に急かされることもなくおもいおもいに新聞を読みふけったり、なじみのお客たちと近況を報告しあったり、マスターとの世間話に花を咲かせていたりします。そんなコーヒー屋さん文化というものが板宿にはしっかりと息づいています。

私自身の老年期を想像するとき、決まってこんな情景をイメージします。

年齢を重ね、体の自由が制限されると共に、高齢者の物理的な行動範囲が縮小していっても、個人の主体性を重視し、その人なりのスタイルで社会へ帰属することを促し、尊厳を失うことのない生活を続けていただく事が、介護サービスを提供していくうえで重要だと考えています。ですので個人的には、理想は町のコーヒー屋さん。なのですが、コーヒー屋さんでは提供できない、介護ニーズにしっかりお答えしていきたいと考えています。

長々とした駄文ではございますが、ごあいさつに代えさせていただきます。

 

令和2年5月吉日

メディカルサービス株式会社

代表取締役 白井一石

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